【開催報告】転校生支援プロジェクト オンラインワークショップ(親向け)

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親にとっても、子どもにとっても大きな転機となる転校。

転校をうまく乗り切り、「よい転機」にできる方法があるのなら、導き出した方法を多くの親子にシェアしたい・・・

そんな想いから立ち上げたのが「転校生支援プロジェクト」です。

そのプロジェクトの一環として開催した子ども向けワークショップの内容を、前回の記事ではご紹介しました。
今回は、親向けのオンラインワークショップの様子をお届けします!



今回の参加者は全部で5名、転園や転校を経験した方・これから予定している方など立場は様々です。

まずは自己紹介からスタートということで、それぞれの悩みも話しつつ進めます。

記事を書く私も、転居を控えている一人。3人の子ども達のうち、特に小学校1年生の長男が新しい環境に上手くなじめないタイプだと思っているので、その事を自己紹介でお話しました。

講師は、”みかねぇ”こと「関 美佳さん」。キャンプなどの野外活動を通じて、子どもの成長を手助けする支援を長年続けてきた方です。

いざ転校!となった時、何をしたらいいのか?
心構えのコツをいくつか紹介していただきました。



そのうちの1つが「Challenge by choice!(チャレンジ バイ チョイス)」です。

Challenge by choiceとは、自分で選んだことにチャレンジすること。

子どもが自ら選び・行動することを積み重ねていけば、”転校する”という状況は変えられなくても、受け身ではなく主体的に捉えることが可能になっていくのです。

例えば、引越しの荷造りの一部を子どもに任せてみる。

「○○ちゃんの荷物、どれをもっていこうか?新しい部屋には、おもちゃをどんな風に並べる?」など、小さなことでも大丈夫。

そしてそれは、必ずしも引っ越し前でなくても良いんだとか!

参加者のお一人は、突然の転勤の辞令が出てしまい、親も子どもも半ばパニックになりながらのバタバタのお引越しだったそう。

そんな参加者の方にも、「後からchallenge by choiceしても大丈夫!」と美佳さんがすかさずフォロー。「荷造りでなくたって、荷ほどきの時でもいいんですよ~」

challenge by choiceに遅すぎるということは無いようです。

いつでもどんな状態でも”自分で選んで行動する”ことが大事、と大きな気づきを得られました。

その他のコツもとっても参考になるものばかり。皆さん真剣にお話を聞いたり、質問したりと盛り上がります。

その中でも、「転校させないといけなくなった・転校で大変な思いをさせてしまう・・という気持ちは持たない!これが大切!」という講師美佳さんのひと言に、特にハッとさせられました。

転校はあくまで1つの転機であり、その経験が子どもにとって良い刺激になる。
この心構えがあれば、転校を子どもの成長に繋げられるんだ!と、とっても気持ちが前向きになりました。



今回のワークショップでは、子どもの心の成長に関することや親から子への働きかけについて学びました。しかしながら、子どもをケアする以前に、まずは親自身のケア(心の準備)について考える必要があるようです。

人はきちんとお別れをしないと次に進めない。と講師美佳さんは言います。

後悔なく新しい環境に進めるように、お友だちやご近所さん、好きだったお店、よく遊んだ公園・・・大好きだったものと親自身がきちんと”お別れ”をする。

そしてそんな時はchallenge by choiceで、お別れの方法を自分で選びましょう!

お引越しを控えている方はぜひ、好きなお店で最後のランチをしたり、大好きな場所に家族みんなで出掛けてみたりと、引っ越し前の限られた時間を自分なりに選択して過ごしてみてくださいね。

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最後に講師の美佳さんから、「親が子ども達を信じて、見守りましょう」とメッセージが。

「親は大丈夫かな?とつい不安に思いがちですが、失敗しながらでも大丈夫、この経験はこの子の為になる!と信じましょう」と温かい笑顔でワークショップが締めくくられました。

子ども達は意外と、チャレンジを楽しむたくましさを持っている!
私や子ども達にいつか来るであろう「転機」を、そう信じて迎えたいと思います。

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〈転校生支援プロジェクト オンラインワークショップ〉

【講師】
関 美佳さん
寺子屋つながリンク代表
国内の大学にて教育学を修めた後、アメリカに留学。インディアナ州立大学(レクリエーションマネージメント専攻)卒業。 山村留学指導員を経て、現職。
キャンプなどの野外活動を通して、国内外1万人以上の子どもたちと出会う。寺子屋つながリンクでは、「子どもたちが共に育ちあう場を提供」し続けており、「自分の人生を自分の足で歩める人」を育てる事業を様々に展開している。

【モデレーター】
利根川 芙海
一般社団法人TENKIN LAB理事
「転勤は転機にもなる」を合言葉に2018年から転勤族支援をしている一般社団法人TENKIN LABの理事。自身も転勤族。子どもの転校を機に、転校生支援の仕組みがないことに気づき、本プロジェクトを立ち上げた。現在、転校生の親として奮闘中。

【主催】一般社団法人TENKIN LAB

【助成】一般社団法人 心豊かな社会をつくる子ども教育財団

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