いつもこのWEBマガジンをご覧くださっているみなさま、ありがとうございます。また、はじめましてのみなさまにも併せて感謝申し上げます。
おかげさまで、私たちは2021年2月1日より「一般社団法人TENKIN LAB(テンキンラボ)」として新たなスタートを切りました。
一部地域の方には活動を通して直接お話しできる機会もありましたが、こちらのWEBマガジンでは、まだ「私たちについて」や「私たちの活動について」細かくお伝えしきれていない部分もあったかと思います。
そこで今回は、私たちの活動に対する思いをお伝えするべく、私たちが2019年に実施した転勤妻のみなさんへの大規模アンケートの結果から見えてきたことを2回にわたってお話ししたいと思います。
少しでも私たちの思いが伝わり、共感していただけたら幸いです。
転勤妻を対象としたアンケート 実施の経緯
私たちは、2019年2~3月にかけて転勤妻のみなさんを対象に「仕事に関するアンケート」を実施しました。
まずは、このアンケートを実施するに至った経緯をお話ししていきます。
私たちが活動を開始したのは2018年。
転勤妻だからこその悩みを抱える女性たちの力になりたいという思いで、WEBマガジン「TENKIN NOTE」での情報発信や転勤族ママ交流会を開催し、少しずつ転勤妻のネットワークも広がっていきました。
活動開始から1年も経たないころ、株式会社デンソーさんの「デンソープロボノプログラム」という機会に巡り合います。
「デンソープロボノプログラム」とは、株式会社デンソーさんが社会貢献活動の一環として、地域課題に取り組む団体の課題解決力向上を一緒に目指してくれるというもの。
私たちは、様々な地域を転々とする転勤族を取り巻く問題を“地域課題”ととらえ、このプログラムに応募しました。
その結果、このプログラムで私たちの活動を支援してくださることが決まり、デンソーさんご協力のもと、「転勤」や「転勤妻」を取り巻く問題を改めて探り出すべくアンケートを実施することになったのです。
私たちが感じていた転勤妻の「課題」
私たちが転勤妻のみなさんとお話ししていく中で感じていたのは、多くの転勤妻が同じような悩みを抱えているということ。
私たち「TENKIN LAB」メンバーも転勤妻。みなさんと同じような悩みやあるあるを共有できてうれしい反面、こんなに悩んでいる人たちがたくさんいるのに、それがあまり世の中に知られていないのではないか?と考えるようになりました。
実際、私たちが活動を始めたころは転勤妻に関する実態調査などのデータは世の中にほとんどなかったのです。
まずは転勤妻の実態を広く知ってもらうこと、そして転勤妻たちが抱える問題をどうしたら解決できるか考えていくことが必要だ!
「デンソープロボノプログラム」に出会ったことで、そんな思いを“アンケートの実施”という形で実現できる機会を得たわけです。
転勤妻は何に一番悩んでいるの?
アンケートを実施するにあたって、まずは転勤妻が抱える悩みとは何かを探ることから始めました。
40人の転勤妻のみなさんへのインタビューでわかったのは、「仕事」と「地域とのつながり」に関する悩みが多くを占めているということ。
これは、私たちの予想通りの結果でもありました。すでに多くの転勤妻のみなさんから仕事に関する悩みを聞いていたからです。
そして、「仕事」と「地域とのつながり」が密接に関係しているのではないかということも容易に想像できました。
お金のやり取りがあるなしにかかわらず、「社会に出て働く」ことで地域社会とのつながりを感じることができ、生き生きとしていく転勤妻仲間の姿を見てきたからです。
だから私たちは、活動の大きなテーマとして「地域とつながる」ということを掲げ、そのひとつのツールとして「働く」ことがあげられるのではないかと考えました。
その考えを確かなものにするため、そしてより具体的に転勤妻たちの悩みを探るべく、「仕事」にテーマを絞ってアンケートを実施。102名の転勤妻のみなさんからご回答いただきました。
このアンケートにより、私たちの進むべき方向がはっきりし、今の私たちの活動の軸となるものが形作られました。
後編では、実際に転勤妻のみなさんがどんな悩みを持ち、どんなサポートを必要としているのか、気になるアンケートの中身を紐解いていきたいと思います。