子どもに身につけさせたい「生きる力」 ~寺子屋つながリンク~

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緊急事態宣言。外出自粛、一斉休校…。
この数か月、これまで予想したこともなかった日々が続きましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。


緊急事態宣言は解除されても、この状況に不安を抱えている方も多くいらっしゃると思います。一方で、ステイホームの日々の中で新しい価値観を見つけたという方もいらっしゃるかもしれません。

今回は、子どもの「生きる力」を育む活動をされている、寺子屋つながリンクの「みかねぇ」こと池田美佳さんにお話しを伺いました。
みかねえのお話から、これからを生き抜くヒントを見つけていただければ幸いです。

「生きる力」を育む 寺子屋つながリンク


みかねぇが主宰する寺子屋つながリンクは、一言でいえば
子どもたちが「生きる力」を身につける場 です。


そのために、山での探検、野原での遊び、飯盒炊さん、露天風呂作りなど、主に野外活動を通した教育プログラムを行っています。対象は、園児(年少)から中学生までで、年齢や経験に応じた教育プログラムがあります。
みかねぇはといえば、「大好きなキャンプをして遊んで暮らしたいから指導員になった」と言うほどのキャンプ好き!
そして、キャンプの本場アメリカの大学でリクリエーションマネージメント学を修め、国内外で数々の実践を積んできたキャンプ指導のプロでもあります。

そんなみかねぇに、「どうして“生きる力”なんですか?」と聞いてみました。
寺子屋つながリンク

「コロナ禍もそうですが、今は昨日までの常識が通用しない時代です。そんな変化の激しい世の中で生き抜いていくには、既存の価値観や誰かの指示に従うのではなく、「自分はどうしたいのか」「何ができるのか」と自分自身と対話しながら生きていく心の強さが必要です。」


「でもね、“生きる力”って、満たされていると身につけるのが難しい力なんですよ。生きる力をつけるには“体も心もめいいっぱいつかって体験すること”が必要なんです。だから、寺子屋つながリンクでは、あえて不自由な環境に身を置くことを目的に、野外でのキャンプ活動を取り入れています。不自由な中に身をおくことで、見えてくる自分があるし、そこで体と心をめいいっぱいつかってチャレンジすることで、やっと生きる力が身につくからなんです。」


「生きる力」は、一朝一夕に得られる力ではなく、数々の実体験がらせん状に積みあがることで身についていくと、みかねぇは言います。



暴言がとまらなかったAくん


寺子屋つながリンクの活動に参加した一人の男の子のエピソードを紹介します。
小学1年生だったAくんのお母さんは、他の子とちょっと違う言動の多い我が子のことを心配し、彼に合った育て方はないだろうかと模索していました。
お母さんの直観で、寺子屋つながリンクのプログラムに参加することになったAくん。活動初日は、暴言を吐き逃げ出してしまいます。みかねぇは、他の子どもたちにケガをさせないことに注力しつつも、Aくんをとがめることはせず、彼の暴言を受け入れ見守り続けたといいます。
どの子にもいいところが必ずあり、適切に導いてやればその子らしさを生かして輝けるようになる、というのが寺子屋つながリンクの姿勢です。Aくんのお母さんはそれを信じ、Aくんをプログラムに参加させ続けました。みかねぇはお母さんに、「家でも、指示を出すのではなく、見守って、問いかけをしてあげてくださいね」とアドバイスをし、お母さんはコツコツと実践されました。
しばらくすると、彼はみんなの中でも少しずつ笑顔で活動できるようになっていきます。
感情をぶつけてみること、自分の意志で行動してみること、それらを制限されたり咎められたりすることなく、多くの体験を積み重ねることができたからでしょう。失敗しても大丈夫、と安心して体験を積み重ねることができたAくんは、自分の中から湧き出るエネルギーや素直な気持ちを、言葉で表現できるようになっていきました。
最初の参加から丸2年が経った今では、仲間からも「アイディアマンのAくん」と慕われるまでになりました。実体験を重ね、生きる力がついてきたことで、Aくんがもともと持っていた個性が輝きはじめたのです。


どんぐり

「生きる力」とは何でしょうか


前述のお母さんは、寺子屋つながリンクの「生きる力」というキーワードにピンときて、Aくんをプログラムに参加させてみることにしました。そして、Aくんは、寺子屋つながリンクの活動を通して生きる力を身につけ、成長し、生来持っていた素晴らしい力を発揮できるようになりました。
では、「生きる力」とは一体何なのでしょうか。
寺子屋つながリンク考える「生きる力」とは、下記の3つの力です。


① 自己肯定力
② コミュニケーション力
③ 問題解決力

もう少し深く掘り下げてみたいと思います。

①自己肯定力とは・・・
「自分はスゴイ」と思うことではないのだそうです。これですと、ちょっとしたきっかけで、裏返しの「自分はスゴクない」になりがちです。
そうではなく、自分のできることとできないことを、ありのまま認める力なのだそうです。そして、「今はできないけれど努力すればできるようになるだろう」と信じる力でもあります。
例えば、キャンプに参加して初めてご飯を炊いてみようとした。そこで、ご飯を炊けない自分に出会う。でも、次にやってみた時には、少し焦げちゃったけど上手く炊けた!美味しかった! こうして自己肯定力がついていきます。


②コミュニケーション力とは・・・
面白い話ができるとか、相手を説得できるとかではなく、自分と相手の違いを認める力なのだそうです。例えば相手の人格や能力、価値観、文化などが自分とは違うのだということを認識し、その上で相手に通じる言葉で話をしたり、相手を思いやることができる能力だということです。
例えば、親と離れてはじめての宿泊。持ってきたはずの歯ブラシがない。どうしよう。いつもならお母さんが助けてくれる。でもここでは声を発しなければ誰もわかってくれない。そうか、言葉で伝えなければ何も伝わらないんだと気づく。もしかしたら、隣にいる友だちも何か言いたいことがあるかもしれないと想像することもできるようになる。
親と離れる体験をするだけでも、こうしてコミュニケーション力は磨かれていきます。

③問題解決能力とは・・・
何かやるべきことや、課題を見つけたときに、それに対しての一歩を踏み出す力です。
そして、それができるまでやり抜く力です。一歩踏み出すには、自分のことを知ったうえでできると信じる「自己肯定力」と、周りの状況を把握して場合によっては誰かに協力をお願いできる「コミュニケーション力」が不可欠です。
例えば、寺子屋つながリンクで仲間と一緒にすすめる冒険プログラム。全員で力を合わせないと一歩も前へ進めない事態に遭遇します。そこで、みんなが自己肯定力、コミュニケーション力を総動員して問題解決に取り組みます。仲間と知恵を出し合い、力を合わせて困難を乗り越えた経験と感動は、自信となって子どもの心に蓄えられ、次の一歩につながるのです。


自己肯定力、コミュニケーション力、問題解決力。
これらは、すぐに身につくものではありません。ひとつずつ少しずつ身につけていくことで、らせん状に大きくなり、確かな生きる力となっていきます。

昔は当たり前に身についた力かもしれませんが、今のように便利で不自由のない生活の中だと、身につけるのが難しい力でもあります。
そんなときは、あえて不自由の中に身を置いてみることが必要なのかもしれませんね。
キャンプや野外活動は、ワクワクしながら不自由を楽しめる、そんな活動なのではないでしょうか。

また、その体験を指導者がそばで適切にサポートしたり、励ましたりすることで、子どもたちはより自覚的に実体験を重ね、生きる力を身につけていくことができると、みかねぇは言います。

お子さんの才能 10個以上見つけます!


寺子屋つながリンクの宿泊のプログラムでは多くの場合、事前に顔合わせを行います。体験内容の説明を受けたり、他の参加者と自己紹介をおこなったりします。
これにより、初めての場が苦手な子でも心の準備ができます。信頼できる大人がいるとわかれば、思い切ってチャレンジできる子もいます。


活動当日は、自然というフィールドの中で、子ども自身がやりたいことをやるのが基本です。その活動は今注目されている追求型、探求型の学習ともいえるでしょう。みかねぇたち指導者がきっかけを与えたり適切にサポートしたりすることで、体験がより深まります。

終了後2週間程すると、親子宛てに「活動報告書」とともに「輝きカード(個人カード)」が送られてきます。
仲間に親切に接することができたことや、頑張りぬいたこと、そんなきらきら輝いていた子どもの姿を親に伝えるのは、今後の家庭での子育てにも役立ててほしいという思いからです。
普段とは違う環境の中だからこそ現れる能力や活躍があると言います。また、多くの子どもたちを見てきたみかねぇやスタッフたちだからこそ発見できる、その子の個性もあります。寺子屋つながリンクでは「お子さんの才能、10個以上見つけます!」と宣言されていますので、スタッフさん総出で子どもの才能を探してくれるそうですよ!!(笑)
寺子屋つながリンク

何が起こるかわからないこれからの時代、自分を知り、周りとコミュニケーションをとりながら問題解決をしていく「生きる力」が必要というみかねぇのお話は、大変説得力があるものでした。
才能や個性を発揮して、我が子らしく力強く生きていって欲しいと願う私たち親へのヒントになったのではないでしょうか。


生きる力を身につけるために、実体験が必要とわかってはいても、毎日の中で、チャレンジにあふれた実体験を数々させるというのは、親と子だけの関係では正直難しいですよね…。
そんな場合には、寺子屋つながリンクのプログラムにお子さんを参加させてみてはいかがでしょうか。↓


また、現在キャンプスタッフも募集しています。「生きる力」に興味のある方は、ぜひスタッフ募集記事についてもご覧ください。
■スタッフをしながら「生きる力」を学びませんか?~寺子屋つながリンク(富山県)~

※寺子屋つながリンクでは、緊急事態宣言期間中に下記の活動を行っていました。
・オンライン「子ども会議」
・「なりたいヒーローになろうプロジェクト」


◆寺子屋つながリンク プログラム(通常時)
〔幼児キャンプ〕
親や家族と離れて「自分でできた!」の体験を大切にしています。
「不思議」や「楽しい」を発見しながら森の中を探検したり、活動を行い
ながら運動能力も養います。


〔小学生低学年キャンプ〕
仲間のために「自分ができること」の体験を大切にしています。
森の素材を使って、「あそび」作り、組み合わせて「あそぶ基地」をつくります。みんなと楽しむにはどうすればよいか、どのように遊びを展開させていくと面白いかなどを考えます。

〔小学生高学年キャンプ〕
「自分のできることをどう生かせるか」の体験を大切にしています。
仲間と助け合って森の中から脱出! 仲間と協力して試行錯誤し、ミッションを
クリアしたときの達成感は格別です。
※一例です。詳しくはHPをご覧ください。

※withコロナによる内容の変更などを随時行う予定です。ご了承ください。

〔その他〕
要望に応じたイベントも開催しています
※過去に開催したイベント
親子アウトドアクッキング
ママのためのアウトドアクッキング
初めてのファミリーキャンプ
防災ワークショップ
自己肯定感を育むワークショップ
コミュニケーション力アップ講座
人間力育成ワークショップ
ママのための親子えいご
つながリンクサロン   など

◆寺子屋つながリンク
富山県富山市婦中町分田142-21
電話 090-8851-6142
Eメール terakoyatsunagalink@gmail.com
HP https://tunagalink-en.jimdofree.com/
・寺子屋つながリンク年間スケジュール
・段階別(幼~中学生)で身につけたい「生きる力」表  など掲載

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