テン子ちゃんの「教えてセンパイ!」 ~転勤家族の子どもの心のケア~

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テン子ちゃん:

「センパ~イ。夫の転勤時期が近づいているんです。環境が変わるのって辛いですよね。センパイの家はお子さんもいらっしゃいますが、お子さんにはどうやって伝えているのですか?」

 



まいセンパイ

「テン子ちゃん、わかるよ~。 転勤て時間やお金だけじゃなくて、気持ちの余裕がなくなるよね。 そんな中で子どものケアもするのは正直難しいから、うちでは日頃から少しずつ伝えるようにしているよ。3つを意識してるよ。①パパ(ママ)のお仕事のこと
②生活の変化があるかもしれないこと
③子どもの気持ちはとりあえず受け止めて共感すること、の3つよ。
いざ引っ越しが決まると急に忙しくなって自分にも余裕がなくなるから、日頃から少しずつよ。」

※転勤帯同初心者のテン子ちゃんが、素朴な疑問をセンパイに相談するという新シリーズです。とやま転勤族コミュニティE-TENKI/転勤族ママ会でよくあがる話題をとりあげていきます。

 

【急な引越しによる不安解消法! 転勤家族の子どもの心のケア】

~センパイ まいさんの話~

わが家は長男が小学校に入学、次男が幼稚園(保育園)に入園して、新しい生活に少し慣れた時に、突然『転勤』と言われたの。
「え!今?!」と、想定外のタイミングで私も子どもたちもとても驚いたわ。

そこからは、家探し、転園、転校の連絡、荷造り、と急に慌ただしい毎日。
私も余裕がなくなって、そんな私の姿は子どもたちを不安にさせちゃったみたい。

当時小学1年生だった長男から『なんで引越ししなきゃいけないの?』と言われたことをきっかけに、私もハッと立ち止まって考えてみたの。
それからは、『日頃のコミュニケーション』を大切にしようと思ったのよ。
3つのポイントを意識しておくといいと思うわ。

① パパのお仕事や転勤のこと
パパの仕事内容や転勤があること自体を、普段から話すようにしたの。
転勤について、夫や私がどう考えているのかを伝えているわ。転勤辞令から引越しまでの期間が短いことや、その間が急に忙しくなってしまうこともね。それから、旅行や帰省の時には、県名や地域のことを話すようにもしている。いつかこの場所に住むかもしれない、ということを、楽しく話すことができる良い機会だと思っているの。
日常的に話をしていると、子どもも色んな視点で周りを観察するようになったり、少しずつ転勤というものを想像できるようになっていくんじゃないかなと思うのよ。

② 転校、引越し、単身赴任など生活の事を話す
転勤があると、生活がガラッと変わるわよね。園や学校での時間が生活のほとんどを占めている子どもにとっては、天と地がひっくり返るような変化だと思うの。赤ちゃん時代なら、ママとパパさえいれば大丈夫でも、年齢があがってくると子どもの世界もちゃんとあるから、自分の意志も出てくるわよね。
我が家は、次男が小学校入学した時に、学年によっては転校の可能性があることを伝えたの。すぐに理解はできなかったようだけど、転校生が入ってきた時に、「自分もいつか転校するかもしれないんだ」と少しイメージができた様子だったわ。

③ 子どもの気持ちを、受け止めて共感する
それから、引越しや転校について、どんな風に思っているか、子どもの意見にも耳を傾けるように意識しているわ。「仲良しのお友達と同じ小学校に通いたい…」というような素直な気持ちを、まずは一旦受け止めるようにしているの。「ママもお友達と離れたら寂しいな」「パパもドキドキするよ」など、子どもの気持ちに寄り添い共感すると、それだけで安心感につながるみたい。日頃から安心して何でも話ができる関係性があれば、急な変化があっても落ち着いて対応できるような気がしているわ。

とはいえ、引っ越しが現実になった時、みんなが納得できる状況にはならないかもしれない。それでも、子どももあらかじめ情報を知っていることは、子ども自身の不安を減らせるように思っているの。話してみると逆に大人が元気をもらえたりと、子どものたくましさを感じることもあったわ。

わが家はね、話し合いをした結果、単身赴任になったの。初めは寂しがっていた子どもたちもだんだんと生活に慣れてきて、単身赴任の夫の家に遊びに行ったりして、今は家族一緒に過ごす時間を大切に楽しむようになったわ。

転勤族にとって、家族は支えとなる大切な存在よ。
テン子ちゃんもぜひ、ご家族とたくさんお話してみてね。

 

 

文:上村美樹 / ライター / コミュニケーショントレーナー

上村美樹プロフィール:結婚後、14年間で4回の引っ越し。転園や転校も経験しながら、夫、息子2人(中1、小4)と暮らしています。モットーは「ママこそ自分を大切に♡」。孤独や子育てに悩むママの力になりたい!そんな思いで、ライター・コミュニケーショントレーナーとして活動中。

 

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